駄菓子は・・・ 群馬県 なかみほ様

駄菓子は、小学校の頃、お小遣いをもらえるようになった年齢の子供たちが、お金の計算を兼ねて、唯一親が自由に行かせてくれた買い物でした。小さな町の駄菓子屋さんは、当時一軒しかなく、町内の小学生が通う習字塾及び珠算教室のすぐ近くにありました。私は習字塾に入っていましたが、習字が習いたかったからではなく、近所の仲間が塾に通いつつ「買い食い」という大人のような行動をしていたことに憧れてのことでした。駄菓子屋さんには、顔馴染みのおばさんがいつもいろんな種類の駄菓子を取り扱ってくれ、お小遣いの少ないときには5円チョコ、100円玉を持ち合わせている時にはいかにたくさんの種類のお菓子を買うか、計算の苦手だった私でも必死に頭を捻って、計算をしたことを今でもよく覚えています。本当に駄菓子は、今でも永遠のアイドルのような感覚です。最近では、大型スーパーなどの駄菓子専門店ができ、簡単に多くの種類の駄菓子が手に入るようになり、私もついつい足が向いてしまいます。もうじき子供が産まれるので、息子にも自分が経験したような駄菓子屋さんでの算数でお金の計算を学びつつ、お金や食べ物の大切さを学ばせていきたいと思います。ちなみに・・・なぜか母が、麩菓子は体によくないと言って、当時「ふ~ちゃん」の愛称で親しまれていた黒糖の甘い麩菓子を買うことを快く思っていませんでした。そう言われていたので、なかなか買うことができずにいましたが、食べたことはありとてもおいしいことを知っていた私は、むしろ大好きな駄菓子の一つでもありました。ある日、駄菓子を買って家路に着く途中、近所の道路端にまだ落としたばかりと思われる大好きな黒糖麩菓子が一本落ちていたんです!!当時4年生だった私は、当然落ちている食べ物を口にすることにみじめさや羞恥心があり、しばらく麩菓子を見て葛藤していましたが、周囲に人がいなかったのでそっと一口だけ麩菓子を食べてしまいました。全部食べたかった気持ちが大きかったもののたった一口だけでも食べれた喜びで、とても大きな幸福感を抱いていた記憶があります。家に帰っても家族には当然、話せないないようでしたので、ずっと私の心の中だけにしまっておいた遠い記憶です。未だに、母は知らない話です。

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